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イカタコ研究会と訪問記

 イカを研究して早7年。そんな僕ですが、今回初めてイカタコ研究会に参加してまいりました。イカやタコの研究をしている方々が集まって研究発表や交流をする場で、今回で6回目になる会です。今回は神奈川県横浜で開かれました。実は横浜に住んでいたことがあるんですよ。懐かしいな~!・・・なんて思うことはなかったですね。3~4歳ぐらいだったのでそのころの記憶が一切ないです(笑)。


 僕自身、イカタコ研究者の知り合いがあまりにも少なかったこともあり、今回は自分のことを知ってもらうこと、知り合いを増やすことを目的で会場入りしました。すると、慶応大学助教の杉本親要先生と目が合いました。杉本さんは琉球大学の池田譲先生のところでアオリイカの群れ行動を研究されて学位を取られた方で、言わば僕の兄弟子に当たる方です。初めての参加ということもあったので緊張していたのですが、知っている方に出会えてだいぶ安心しました。


 さて研究会の1日目、北海道大学の桜井泰憲先生のご講演を含め、イカタコの面白い研究の発表を聞けました。自分では考えたこともなかったことや知らなかったことが多く、そこから自分の中で、これがこうだとするとどうなるんだろうとか色々と考えることができ、全然飽きが来ず最後まで楽しむことが出来ました。イカタコのことをまだまだ知らないんだなー、と改めて感じました。

 ちなみに、僕も櫻井ですが、桜井先生とは特に血縁関係にあるとかではないです(笑)。種は違いますが同じイカを研究していて、論文の名前も両者Y. Sakuraiになりますし、今は両者北海道大学にいるという共通点・・・。それに加え、僕の師匠である琉球大学教授の池田譲先生は、桜井先生のお弟子さんになります。何とも不思議なつながりがあるなー。そんなつながりがありながら、桜井先生とは一度もお会いしたことがないんです・・・。今回やっとお会いできると思ったのですが、先生の体調の関係でリモートでのご講演でお会いすることは叶わず・・・。先生のいらっしゃる場所が函館、僕がいるのは札幌、同じ道内とはいえ電車や車で4時間かかりますから、なかなかお会いすることができないんですよね。いつかきちんとお会いしてご挨拶したいと思っています。


 1日目の終了後の懇親会で、色々な方と話すことができて非常に楽しかったです。そんな中で、僕のことを知っているという方に数人お会いしました。論文を読んでくださった方もいらっしゃって、ありがたく思いました。僕はほとんど知られていないなんて思っていましたから、驚きと同時に知られているという事実になんだか気恥ずかしさを覚えました。このブログが読まれているのかと思うと、恥ずかしいどころではありません(笑)。イエーイ!見ってる~?・・・すみません、おふざけが過ぎました。現実ではこんなおふざけできないくせに、こういったところでは簡単にふざけてしまいたくなってしまうんです。


 そんなこんなで、迎えた2日目。上から3番目の発表だったため、2日目の早めに無事発表を終えて一息つけました。僕の発表後少しの休憩時間があったのですが、多くの方が僕のところに来てくださり、色々と質問してくださいました。そのあとも何人もの方が話しかけにきてくださり、爪痕は残せたかなと。これまでの学会では、見向きもされないことが多かったので、よかったです。ただやっぱり、もう少し「この結果はこうこうこういうことによるものです」とか言える結果を出せればなと思いました。7年ほどこの研究をやってきて、分かってきたことも多いですが、分からないことがどんどん増えてきました。1人でやるには限界がある上に、年中簡単に実験できないというのが辛い所です。少しずつでも前に進めていこうと思います。



 無事イカタコ研究会で発表を終え、多くのイカタコ研究者に知っていただけたので、今回の目的を達成できました。研究会以外に2カ所、訪問させていただきました。研究会の前日に、色々とお世話になった関係でお礼をさせていただくために東京大学三崎臨海実験所に訪問しました。イカタコ研究会にも参加されていた幸塚さんと金原さんにお会いでき、施設の方もご案内いただきました。大量の水槽にすごい種類の動物がいて見ていて楽しくて仕方なかったです。海に近く、生物多様性に富んでいて本当に素晴らしい場所でした。海が近くて海水を引いてこれるのはうらやましい・・・。

 自分の用事で人に会うという機会がこれまで少なかったので、かなり緊張していましたが、快くご対応いただいてとてもありがたかったです。来年のイカタコ研究会でまたお会いできるのを楽しみにしております。


 そしてもう1カ所、総合研究大学院大学です。こちらは田中先生のご紹介で、木下充代先生と渡邊崇之先生にお会いして、研究についてご相談させていただくために訪問しました。研究室の設備を見せていただき、研究に関して色々と教えていただきました。そして、自分の研究について紹介して、アドバイスをいただきました。研究を紹介している途中で、蟻川謙太郎先生が来てくださり、3人の先生方の前で発表するというかなり緊張する状況でした。それでも緊張しすぎず、ある程度リラックスした状態でdiscussionできたのではないかと思います。おそらく学生時代であれば、緊張してうまく質問に答えられなかったのではないかと思います。分からないことを分からないと言うことが苦手だったので、それらしい答えをしどろもどろに答えてしまうという悪手を取っていました。今は、分からないことは分からないということの大事さを知りました。そこから自分だけでなく別の人を巻き込んで考えられるので、それによって新しい考えが生まれたりするんだ、と思っています。


 「人とのつながりを増やして、研究の幅を広げる」というのが学振PDでの目標の1つです。今回、多くの方々にお会いしてお話しすることができて、人と人とのつながりが大事であることをより強く感じました。自分や研究室内だけでなく、多くの人と交流することで考えが広がっていき、より思考が深まっていく気がします。こういった機会を大事にして、お互いに良い影響を与えられる関係を築いていければ、より研究が進んでいくんだなと学びました。今後も色々な方と交流を広げていきたいと思います。



研究会の会場の隣にあった日本丸という名の船です。結構大きな船で、中に入って見学できるみたいです。国指定重要文化財らしいのですが、何をした船なのかは分からないです(笑)。


また来年の研究会に参加したいなと思います。それまでにはちゃんと結果出さないと・・・。





 




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