テレビで紹介 ~左右性~
- 櫻井裕真
- 4 日前
- 読了時間: 3分
つい先日、「サイエンスZERO」にて、僕の研究が紹介されました。池田先生が色々と左右性について話をされていましたね。日の目を見ることがなかなかないので、ありがたい限りです。まあ、僕は出ていないので、研究内容だけが日の目を見ているわけですが……。とりあえず、見てくださった方々、ありがとうございます!
実は放送の1月前ぐらいに、「イカについて櫻井くんの研究を紹介します。動画や写真を送ってください。説明資料として櫻井くんのパワーポイントを使わせていただきます。」という連絡をいただきましたので、放送は半年後ぐらいなのかな~、と考えていました。全然そんなこともなく、すぐの放送でした (忙しくて、送るのを先送りにしかけましたが、そうしなくてよかった……)。
正直、放送前は、左右性に関して軽く触れるくらいかなと思っていました。ところがどっこい、割と尺を取って左右性の話をしていて、驚きました。しかも、前半にボディパターンの話が出て、コミュニケーションがどうのこうのって話の後に、左右性の話だったので、前半と比べて面白さ減ってないかな、大丈夫かな……と謎の心配をしていました (今でもどうだったのだろうと若干心配)。ボディパターンは正に目を惹く面白さなのに対して、左右性は「ふーん」で終わりそう……。
放送翌日、X (旧Twitter) で、左右性に関しての補足を発信しました。バズる、とまでは行っていないですが、投稿を見てくださる方々が多く、関心を持ってくださっているんだな、と嬉しく思いました。僕の心配は杞憂に終わったようです (と信じたい)。Xで色々投稿すると長くなってしまいますので、ここでさらなる補足をしようかと思います。
「超個体視覚」という言葉が出ていましたが、超個体というのは、アリやハチのような真社会性昆虫に用いられる言葉です。複数の個体が集まり、1つの個体であるかのようにふるまう、それを超個体と言います。超個体視覚は、アオリイカの群れがまるで1つの個体であるかのようにふるまい、結果として1つの大きな眼として機能しているかようなふるまっている、という完全な造語です。学振DC1を出すときに、何かインパクトのあるワードはないだろうか、ということで先生と一緒に考えた言葉です。群れ内のイカが各々利き眼を持つことで、自身の得意とする側の眼を最大限に活かせる位置取りをしていて、群れの機能が最大限発揮されるのではないだろうか、というのが当時考えていたことです。そして現在、群れ行動と利き眼には関係があること、利き眼が群れ内の左右の位置と関連していることは分かったわけです。シミュレーションモデルを用いた実験もあるのですが、まだ論文にはできていないのでここでは割愛します (早く論文にしたいですが、再検証と追加データが必要でして……)。
今は行動からは一旦離れて、神経系の研究をしています。視覚情報をどのように神経系で処理しているのか、それによりどのように行動として表現されるのか、といったことを調べていきたいと考えています。かなり大変ですが、挫けずに挑戦していきたいと思います。最近は頭足類の神経系を調べようとする人たちが増えてきたので、面白いことが分かると嬉しいです。僕もそこに入り込めるように、精進します (本当に大変ですが)。

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