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久しぶりの投稿

  • 櫻井裕真
  • 2022年11月28日
  • 読了時間: 3分

 個人ページの更新を怠り続け、学会参加や論文出版の報告ぐらいしか使わなかったのですが、それだけだと更新しがいがないと思い、ブログを再開しようと思い立った次第です。これまでのブログのように当たり障りのない内容にするのも如何かと (3つしかないですが)、少し内容を膨らませたいなと思います。ユーモアなんて欠片もないのですが・・・。

 久々で何を書こうか。最近だと、学会に出ました。日本動物行動学会という動物行動学や行動生態学といった動物の行動に主眼を置いた学会になります。毎年出ており、魚類や昆虫類の研究が多い印象です。今回の学会は、2019年の大阪大会以降、久しぶりの対面式で場所は福岡、僕にとっては初めての九州となりました。ここ数か月は研究へのモチベーションが低くなっていましたから、正直学会のモチベーションも低く、鬱々としていました。実際、動物行動学会は魚類や昆虫類の繁殖生態の研究が多く、池田研の研究はあまり注目されていないような雰囲気があるというのもあります。そんな心中の中、僕の発表が初日の午後、もう論文を書き始めていた内容であったため、まとまった内容で発表できたわけです。発表が終わり、質問を受けました。1つ目の質問は、簡単に答えられる質問ですぐ回答。2つ目の質問は、今年北海道大学を退官された松島俊也名誉教授からでした。松島先生のゆっくりとしながらも力のある話し方に、僕は背筋がピンとなるような感覚があったのを覚えています。先生は質問の前にこうおっしゃられました。「僕は、左右性の適応的意義についてずっと考えてきました」。先生のご専門は左右性ではありません。しかし、先生のご友人にトレント大学のGiorgio Vallortigara教授とルール大学のOnur Güntürün教授という方がいらっしゃいます。その方々は、左右性を研究しておられ、松島先生はそのお二人とかなり議論されてこられたのだろう、とその言葉を聞いたと同時に理解しました (もちろん、先生に直接それを聞いたわけではないので、僕の妄想でしかないです)。先生の質問は2つ。左右性の成長に伴う変化と適応的意義。前者は、僕がすでに研究していたため答えられたのですが、後者は、簡単に答えられないと思い、しどろもどろになりながら答えました。その後、僕は左右性の適応的意義について、学会中ずっと考えていました。そもそも適応的意義とは何か、機能とは何か、どうすれば適応的意義を明らかにできるのか、などこんなに何かを考えたことがかつてあっただろうかというほど、考え続けていました。今も考えています。

 井の中の蛙。今までの僕はまさにそれです。久しぶりに対面の学会に出たことで、外の世界を直に見ることができ、未熟さを知ることができたのはよかったと思います。僕はいつまでも井の中にいるわけにはいきません。僕はやっと大海を見に行く準備が整ったのでしょうか。

 
 
 

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